法定福利費の見積への載せ方 令和8年度の料率と計算例
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見積に載せる法定福利費は、現場の労務費に、5つの保険料率の事業主負担分を掛けて出す。 東京都の協会けんぽに入る会社なら、令和8年度の率の合計は16.295%。労務費300万円で488,850円になる。 令和7年12月の改正建設業法で、この内訳を書いた見積書を作るのは努力義務になった(第20条第1項)。
令和8年度の料率(事業主負担分)
| 保険 | 全体の率 | 事業主負担 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 雇用保険(建設の事業) | 16.5/1,000 | 10.5/1,000 | 厚労省 |
| 健康保険(東京都) | 9.85% | 4.925% | 協会けんぽ |
| 介護保険 | 1.62% | 0.81% | 協会けんぽ |
| 厚生年金保険 | 18.3% | 9.15% | 日本年金機構 |
| 子ども・子育て拠出金 | 0.36% | 0.36% | 日本年金機構 |
健康保険、介護保険、厚生年金の事業主負担は、全体の率を折半した値。拠出金は事業主だけが負担する。
協会けんぽの率は令和8年3月分(4月納付分)から、雇用保険の率は令和8年4月1日から令和9年3月31日まで。健康保険組合に入っている会社は、その組合の率を使う。
式と例題
法定福利費 = 労務費 × 事業主負担分の料率の合計
労務費には、技能者本人が負担する保険料の分も含める(国交省の様式例の注記)。
例題1 東京都、労務費300万円
料率の合計 = 1.05 + 4.925 + 0.81 + 9.15 + 0.36 = 16.295%
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 雇用保険 | 300万 × 1.05% | 31,500円 |
| 健康保険 | 300万 × 4.925% | 147,750円 |
| 介護保険 | 300万 × 0.81% | 24,300円 |
| 厚生年金 | 300万 × 9.15% | 274,500円 |
| 拠出金 | 300万 × 0.36% | 10,800円 |
5項目の合計は488,850円で、300万 × 16.295% と一致する。
例題2 大阪府の会社が同じ工事を見積る
大阪府の健康保険は10.13%で、事業主負担は5.065%。
料率の合計 = 1.05 + 5.065 + 0.81 + 9.15 + 0.36 = 16.435% 法定福利費 = 300万 × 16.435% = 493,050円
東京都との差は4,200円(300万 × 0.14%)。
見積書の作成は工事の見積書・請求書を作るでもできる。法定福利費の欄に自社の率で出した額を入れる。
介護保険と適用除外者
| 場面 | 見積での扱い | 出典 |
|---|---|---|
| 介護保険(40歳から64歳が対象) | 見積段階では全員加入の前提で載せる | 専門工事業者向けガイド |
| 一人親方など保険に入らない技能者 | 見積段階では全員加入で出し、直近上位の注文者と協議して最終額を決める | 同 |
| 団体の標準見積書の例 | 介護保険の率に40歳から64歳の構成比を掛ける | 運用編ガイド |
令和8年4月分からは、協会けんぽの保険料に子ども・子育て支援金(0.23%)が加わった。読んだ2つのガイドには支援金の記載がなく、見積での載せ方は注文者と確かめる。
注文者は内訳を書いた見積書の内容を考慮するよう努める(第20条第4項)。通常必要な額を著しく下回るような変更を求めてはならない(同条第6項)。
出典
確認日はいずれも2026年11月2日。
- 建設業法(e-Gov法令検索)
- 国土交通省 建設工事の見積書様式例 書き方ガイド(運用編、令和8年3月)
- 国土交通省 【専門工事業者向け】建設工事の見積書様式例 書き方ガイド
- 厚生労働省 令和8年度 雇用保険料率のご案内
- 協会けんぽ 令和8年度 都道府県単位保険料率
- 日本年金機構 厚生年金保険料額表
- 日本年金機構 保険料額表(令和2年9月分から)