石綿の事前調査の義務と報告|80㎡と税込100万円の判定
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石綿の事前調査は、規模や金額に関係なく、建築物、工作物、鋼製の船舶の解体と改修のすべてで要る(石綿則3条1項)。 結果の報告が要るのは一定規模以上だけ。建築物の解体は床面積80㎡以上、建築物の改修と特定の工作物の工事は請負代金100万円以上(税込)。 報告は石綿事前調査結果報告システムから行い、1回の操作で労働基準監督署と都道府県等の両方に届く。
報告が要る工事
| 工事 | 報告の基準 | 根拠 |
|---|---|---|
| 建築物の解体 | 工事部分の床面積の合計80㎡以上 | 石綿則4条の2第1項1号 |
| 建築物の改修 | 請負代金100万円以上 | 同2号 |
| 特定の工作物の解体・改修 | 請負代金100万円以上 | 同3号 |
| 鋼製の船舶の解体・改修 | 総トン数20トン以上 | 同4号 |
改修には封じ込めと囲い込みを含む。金額が税込であることは、厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトと環境省の資料に書かれている。
大気汚染防止法に基づく都道府県等への報告もある。環境省の資料では、鋼製の船舶は石綿則に基づく報告で加わる工事として書かれている。
事前調査でやること
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 方法 | 全ての材料を、設計図書等の文書と目視で確認 | 3条2項 |
| 調査者 | 厚生労働大臣が定める者 | 3条4項 |
| 不明なとき | 分析調査か、石綿ありとみなして措置 | 3条5項 |
| 記録 | 調査終了日から3年保存 | 3条7項 |
| 掲示 | 調査終了日と結果の概要を見やすい箇所に | 3条8項 |
着工日が平成18年9月1日以降の建築物等は、着工日を設計図書等で確かめる方法で足りる(3条3項3号)。
調査者の要件は、建築物と船舶が2023年10月から。工作物は2026年1月1日以降に着工する工事から、資格者による調査が要る(ポータルサイト)。厚生労働大臣が定める工作物以外の工作物では、この要件は塗料など石綿等が使われているおそれがある材料の除去等に係る調査に限られる(3条4項ただし書)。
掲示は、石綿の有無や届出の対象かどうかに関係なく全ての解体等工事で要る。ポータルサイトは大きさをA3判以上としている。
判定の式と例題
解体 → 工事部分の床面積 ≧ 80㎡ なら報告 改修 → 請負代金(税込) ≧ 100万円 なら報告
例題1。木造住宅の一部を解体し、工事部分の床面積が75㎡。75 < 80 なので報告は不要。事前調査、記録、掲示は要る。
例題2。建築物の改修で、請負代金が税抜95万円。消費税10%で計算すると 95 × 1.1 = 104.5万円。104.5 ≧ 100 なので報告対象。税抜の数字だけで判定すると外れる。
例題3。同じ事業者が改修を60万円と50万円の2契約に分けて請け負った。4条の2第4項で一の契約とみなすので、60 + 50 = 110万円。報告対象。
例題4。下請に一部を出している工事。報告は、最も先次の請負契約の注文者、つまり元請が作業の全部についてまとめて行う(4条の2第5項)。
書かれていること、書かれていないこと
石綿則と公的資料で読めるのは、報告の基準、調査方法、記録と掲示、報告システムの利用にGビズIDが要ること。石綿則の報告は、様式第一号の報告書を所轄労働基準監督署長に出すことで代えられる(4条の2第3項)。環境省の資料は、書面で報告する場合は都道府県等と労働基準監督署にそれぞれ出す必要があるとしている。
請負代金に事前調査の費用を含めるかは、ここで挙げた条文と資料には書かれていない。
出典
確認日はいずれも2026年11月2日。
- 石綿障害予防規則(e-Gov法令検索)
- 石綿事前調査結果報告システム(石綿総合情報ポータルサイト)
- 工事の元請業者(石綿総合情報ポータルサイト)
- 工作物石綿事前調査者(石綿総合情報ポータルサイト)
- 4月1日から石綿の事前調査結果の報告制度がスタートします(環境省)