軽微な工事と軽微な作業|電気工事士の資格が要らない範囲
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一般用電気工作物等で電気工事士の資格が要らない範囲は、2つの条文で決まる。電気工事士法施行令第1条の「軽微な工事」と、同法施行規則第2条の「軽微な作業」。 軽微な工事は、そもそも電気工事に当たらない6項目。600V以下の接続器にコードをつなぐ、二次電圧36V以下の小型変圧器の二次側配線などが入る。 軽微な作業は電気工事の一部だが、資格のない人がしてよい作業。露出型のコンセントやスイッチの取り換えがこれに当たる。
軽微な工事(電気工事士法施行令 第1条)
| 号 | 内容 | 条件 |
|---|---|---|
| 1 | 接続器や開閉器にコード、キャブタイヤケーブルをつなぐ | 600V以下 |
| 2 | 電気機器や蓄電池の端子に電線をねじ止めする | 600V以下、配線器具は除く |
| 3 | 電力量計、電流制限器、ヒューズの取付け、取外し | 600V以下 |
| 4 | インターホン、火災感知器などの小型変圧器の二次側配線 | 二次電圧36V以下 |
| 5 | 電線を支える柱、腕木などの設置、変更 | なし |
| 6 | 地中電線用の暗きょ、管の設置、変更 | なし |
この6項目は電気工事士法の「電気工事」から外れる(同法 第2条第3項)。電気工事業法の電気工事も同じ定義を使うので、業の登録の対象にもならない(同法 第2条第1項)。
判定の式
資格が要る = 電気工事(軽微な工事を除く) かつ 施行規則第2条に列挙された作業
一般用電気工作物等で資格が要る作業は、次のようなもの(施行規則 第2条第2項)。
- 電線相互の接続
- 電線を造営材に取り付ける、電線管やダクトに電線を収める
- 配線器具を造営材に取り付け、または電線を接続する(露出型の点滅器、コンセントの取り換えを除く)
- 電線管の曲げ、ねじ切り、管とボックスの接続
- 配電盤を造営材に取り付ける
- 接地極の埋設、接地線と接地極の接続(600V以下の電気機器への接地線の取付けを除く)
列挙にない作業(同項第1号)と、電気工事士が従事する列挙作業を補助する作業(同項第2号)は、資格がなくてもできる。
例題
例題1 延長コードの差込みプラグを付け替える。 600V以下の差込み接続器にコードをつなぐ工事で、施行令第1条第1号。判定は「電気工事に当たらず、資格不要」。
例題2 壁に露出して付いたコンセントを、同じ露出型に取り換える。 配線器具の作業だが、露出型の取り換えは除かれている。判定は「軽微な作業で、資格不要」。
例題3 住宅で埋込コンセントを1か所増やす。 配線器具を造営材に取り付けて電線をつなぐ作業。判定は「第二種以上の電気工事士が要る」。
例題4 インターホンの配線。二次電圧が24Vと48Vの2機種。 24 ≤ 36なので24Vは第4号に入り、資格不要。48 > 36なので48Vは軽微な工事に当たらない。48Vのほうは、列挙された作業に当たるかを式の後半で見る。
例題5 エアコン室内機の端子に、渡り線をねじ止めする。 600V以下の電気機器の端子へのねじ止めで、第2号。専用コンセントの回路を新設する作業は別に見る。電線の接続や配線器具の取付けを含めば、電気工事士が要る。
業の登録から外れる工事
家庭用電気機械器具の販売に付随して行う工事は、電気工事業法の電気工事から除かれる(同法 第2条第1項ただし書)。外れるのは業の登録の側で、電気工事士法の資格の規定は別に見る。施行規則第2条の作業を含めば、販売店の工事でも電気工事士が要る。
根拠の条文
| 内容 | 条文 |
|---|---|
| 軽微な工事を電気工事から除く | 電気工事士法 第2条第3項 |
| 軽微な工事の6項目 | 電気工事士法施行令 第1条 |
| 資格が要る作業の列挙 | 電気工事士法施行規則 第2条 |
施行令第1条第2号の「電気機器」からは配線器具が除かれている。同じねじ止めでも、相手が配線器具なら第2号には入らない。資格の取り方は電気工事士の取得ルートを調べるにまとめている。
関連:第二種電気工事士でできる工事の範囲、電気工事業の登録と届出
確認日と出典
確認日はいずれも2026年11月2日。条文はe-Gov法令検索の現行版(電気工事士法施行令は2025年11月14日施行分)。