特別教育と技能講習の違い|1t、3t、10mで区分が変わる主な業務
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特別教育は、事業者が自分で行う教育。根拠は安衛法59条3項で、対象業務は安衛則36条に並ぶ。 技能講習は、都道府県労働局長の登録を受けた者が行う講習。修了者でないと就けない業務(就業制限、安衛法61条1項)の資格になる。 同じ機械でも能力の数字で区分が入れ替わる。フォークリフトは最大荷重1t、車両系建設機械は機体重量3t、高所作業車は作業床の高さ10mが境目。
境目で区分が変わる業務の一覧
| 業務(道路走行を除く) | 特別教育 | 技能講習 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| フォークリフト運転 | 最大荷重1t未満 | 1t以上 | 則36条5号、令20条11号 |
| ショベルローダー等運転 | 最大荷重1t未満 | 1t以上 | 則36条5号の2、令20条13号 |
| 不整地運搬車運転 | 最大積載量1t未満 | 1t以上 | 則36条5号の3、令20条14号 |
| 車両系建設機械運転 | 機体重量3t未満 | 3t以上 | 則36条9号、令20条12号 |
| 高所作業車運転 | 作業床10m未満 | 10m以上 | 則36条10号の5、令20条15号 |
| クレーン等の玉掛け | つり上げ荷重1t未満 | 1t以上 | 則36条19号、令20条16号 |
則は労働安全衛生規則、令は労働安全衛生法施行令。クレーンなどの運転のように免許が絡む業務は、この表に入れていない。車両系建設機械は令別表第七の第一号(整地・運搬・積込み用)、第二号(掘削用)、第三号(基礎工事用)、第六号(解体用)が対象。
運転の5業務は、どの条文も「道路上を走行させる運転を除く」と書いている。
制度の違い
| 項目 | 特別教育 | 技能講習 |
|---|---|---|
| 根拠 | 法59条3項、則36条 | 法61条1項、令20条 |
| 行う者 | 事業者 | 登録を受けた者 |
| 記録・書面 | 受講者と科目等を記録し3年保存(則38条) | 修了証の交付(法76条2項)、資格を証する書面の携帯(法61条3項) |
| 科目の省略 | 十分な知識・技能がある科目は可(則37条) | 則37条は特別教育だけの規定 |
罰則は法119条1号。59条3項(特別教育をせずに就かせる)も、61条1項(無資格者を就かせる)も、6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象に並んでいる。資格のない本人が業務を行うことも61条2項で禁じられ、120条1号で50万円以下の罰金の対象になる。
判定の式と例題
区分は、機械の能力の数字と境目の値の比較で決まる。
能力の数字 ≧ 境目 → 技能講習(就業制限) 能力の数字 < 境目 → 特別教育
条文の書き方は「以上」と「未満」。境目ちょうどの機械は技能講習側に入る。
例題1。最大積載量1.0tの不整地運搬車。1.0 ≧ 1.0 なので技能講習(令20条14号)。
例題2。作業床の高さ9.9mと12mの高所作業車を同じ人が運転する。9.9 < 10 で特別教育、12 ≧ 10 で技能講習。12m機を運転するなら技能講習は外せない。
例題3。最大荷重0.9tと2.5tのフォークリフトを運転する。2.5tは技能講習が要る。0.9tは特別教育の業務になる。技能講習の修了で0.9t側の特別教育を省けるかは、則37条の「十分な知識及び技能」の判断になり、条文に機種ごとの定めはない。
判定に使うのは最大荷重や機体重量といった機械の能力の数字で、その日に運ぶ荷の重さではない。
作業と機械を選んで判定するならこの作業に要る資格は?が使える。
法令で決まること、決まっていないこと
法令で決まっているのは、対象業務と境目の数字、特別教育の記録3年保存、技能講習修了者の書面携帯まで。特別教育の科目と時間は、安全衛生特別教育規程(昭和47年労働省告示第92号)に業務ごとの表がある。
則38条が求めるのは記録の作成と保存で、受講者への修了証の交付はこの条文にない。技能講習は、講習を行った者が修了証を交付する(法76条2項)。
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出典
確認日はいずれも2026年11月2日。